こんにちは。ヒサノアスカ(@AsukaHisano)です。
チェコでフリーランスや起業したい場合、「ビジネスを目的とした90日以上の長期滞在ビザ」通称事業者ビザを取得する必要があります。
このビザ、以前書いた「チェコでフリーランサーとして働きたい人のための、ビザ手続き手順覚書。」という記事でも解説してますが、取得手続きが他のものとは違ってちょっとどころでなく複雑です。
ただこの事業者ビザ、手続きこそは複雑ですが、条件を満たすのはそこまで難しくありません。
まあ、延長申請の時点で税金払う必要がある程度に稼いでないといちゃもんつけられる可能性があったり、報酬受取の際には必ずインボイスを発行してそれに合わせて支払ってもらう必要があったりと後が大変っぽいですが、これはきっとどこの国でも同じ。
そういった難しい話はさておいて、今回は事業者ビザ取得の条件と申請に必要な書類についてざっくり紹介します。
ビザ関連の法律や規制は随時変更されるため、必ず最新の情報をご確認ください。
事業者ビザの申請条件って?
今回改めて内務省のサイトを確認したのですが、他のビザとの主な違いは以下の3点でした。
- 事業登録リスト(Živnostenský list)への申請
- 124,500 CZK(約70~80万円)以上の残高証明
- 他のビザから切り替えるには5年以上継続的に滞在している必要あり
事業登録リスト(Živnostenský list)への申請
まず1点目の事業登録リスト(Živnostenský list)への申請ですが、これは他のビザで言うところの「チェコ滞在の理由の証明」にあたります。
進学であれば学校の入学許可、就職であれば就労契約など。
入手方法は上記の記事でも説明しているように、チェコ国内の貿易局に出向いての登録申請が必須です。
申請が受け付けられればその証明書がもらえるようなので、ビザ申請の際にはそれを提出してください。
124,500 CZK(約70~80万円)以上の残高証明
次の残高証明ですが、これは他のビザだと半年で62,250CZKなので倍額ですね。
厳密には基準額と計算方法があるのですが、根拠がよくわからないので金額だけ上げておきます。
ただ、金額こそ倍ですが、必要な書類自体は他と変わらないので、移住費用としてきっちり貯金しておけば十分足りると思います。
他の国だともっと高額の残高証明が必要だったりするらしいので、条件としてはかなり緩いのではないかと。
というかぶっちゃけた話、外国に移住しようってのに80万円も貯めてないってのはさすがに甘すぎる。
いや、養ってくれる相手やきちんとお給料払ってくれる勤め先があるなら話は別ですよ?
でも単独で移住しようってんなら、最低でも1年は生活できるだけのお金は貯めておくべきです。
金銭面に不安があると、せっかくの海外生活も全力で楽しめません(経験談)
他のビザから切り替えるには5年以上の継続的な滞在が必須
最後の項目ですが、新規でビザを申請する場合は気にする必要はありません。
問題になるのは学生ビザや就労ビザで既にチェコに滞在している場合です。
ビザの種類を学生や就労からビジネスに変更したい場合のみ、チェコに5年以上滞在している必要があります。
なので「チェコで進学or就職orワーホリしてるけどフリーランスになりたい!」という場合は、がんばって5年間チェコに住み続けてからビザの種類を変更するか、それまでの継続在住年数を棒に振ってビジネスビザを新規取得しなければならないのです。
チェコでの永住許可取得を目指して移住する場合、どういう形でチェコに来るのかでその後の生活や永住許可取得までの年数などに大きな影響が出てきますので、事前によくよく考えたうえで計画を立ててくださいね。
条件は緩めでも取得は厳しい?
種類は問わず、ビザを取得するには「その国に住まなければならない理由」が絶対に必要です。
つまりネット上でのみ仕事をしている場合、チェコに住まなくても仕事ができてしまうので「別にチェコには旅行でくればいいんじゃないですか?」とビザが承認されない可能性が高いです。
例えばプログラマーであればチェコの会社から案件を受注する、日本語教師であればチェコの語学学校と契約をするなど、本当にチェコ国内で仕事をする意思とその機会があることを証明しなければなりません。
また当然ですが、すぐに食い詰めるような人を受け入れてくれるほど移民局は優しくありません。
生活費や税金、社会保障、健康保険などを支払えるだけの収入が見込めるということを大使館での面接時にきちんと説明できなければ、やはりビザの取得はできません。
ただこれは、チェコに限らず他の国でも条件としては同じでしょう。
「フリーランスで生活できてるから他の国に移住しよう!」という思い付きで気軽に移住できるほど簡単なわけではないので、その点はご注意ください。
おわりに
正直なところ、他の国のフリーランス・事業者ビザ情報にはあまり明るくないためはっきりとは言い切れませんが、それでもチェコの条件はゆるい方ではないでしょうか?
まあ、手続きの煩雑さとお役所での英語の通じなさを考慮するとプラマイゼロになりそうですがね……
もちろんはっきりと行きたい・住みたい国や街があるのならそれを否定するつもりはありません。
ですがもしヨーロッパに住むことが目的なのであれば、チェコも移住先候補として悪くはありませんよ。