こんにちは。ヒサノアスカ(@AsukaHisano)です。
ここ最近、チェコへの就職を希望する方からチェコでの就職活動についてのお問い合わせを何通かいただいてます。
駐在として派遣されるのであれば、会社がすべてお膳立てしてくれますが、そもそもチェコでイチからビザを取って就職したいという場合、情報がなくてけっこう困ります。
ヒサノ自身、仕事を探してみようと思い立った時、どこから手を付ければいいのかがさっぱりわからず、途方に暮れた記憶があります。
そこで、チェコに住んで長い友人と前職の上司からも情報を得まして、チェコで就職するからには知っておくべき雇用事情と、どうすれば日本人向けの求人情報やお仕事を見つけることができるのかをざっくりと説明します。
チェコにおける外国人の雇用事情
チェコで市民権や永住許可、もしくは伴侶ビザを持っている外国人であれば、チェコ人と同じ扱いで雇えるため、手順はそこまでややこしくありません。
ですが就労できるビザを持っていない場合、就職する側も大変ですが、実は雇う側もアレコレしなくちゃならないのでかなり煩雑です。
というのもヨーロッパでは移民によって自国民が職にあぶれて大変なことになった国や地域があるため、どこの国でも自国民のために職を確保することに躍起になっています。
チェコは移民の受け入れを他国に比べて厳しめに制限していることもあって、2017年末でチェコの失業率は2.3%、2018年頭にはヨーロッパ圏内で失業率が一番低い国となってはいますが、基本的にやはり自国民には自国内で働いてほしいわけです。
なので、企業が外国人を雇いたい場合でも、まずは労働局にチェコ人向けの求人情報を登録する必要があります。
その上で外国人を、それもビザや就労許可を発行してまで雇う場合は、「チェコ人からも応募があったけれど弊社の求める人材は見つからなかった。そのため外国人であるこの人を雇うことにした」と書類上説明しなければなりません。
また、チェコ人ではなくわざわざ外国人を雇うということで、同じ役職でも最低保証賃金より一定割合以上の給与設定をしなければならないという制限もあります。
つまり、チェコで就労ビザを持っていない外国人を雇うのって、企業側もけっこう面倒くさく、またさまざまな方面でコストがかかるというわけです。
チェコで日本人向け求人情報を見つける方法
これらを踏まえてどうやってチェコ国内の日本人向け求人情報を見つけるのかですが……ぶっちゃけ、けっこう難しいです。
厳密には、日本人を雇いたがっている日系企業は、多分少なくありません。
ただ、上記のように手続きがいろいろ煩雑なためか、それともそのための場所がないためか、日本人向け求人情報をオープンにしている企業はあまりないのです。
というのも、チェコ在住日本人のためのオープンなコミュニティが多分存在していないんですよね。
チェコの日本人会は会員制(有料かつけっこう高い)で完全クローズドですし、Facebookページも承認制。
他の国で普通に見かける掲示板やクラシファイドなんかもないですし、日本人向けのフリーペーパーなんてものもありません。
こんな状況でどうすれば日本人向けの求人情報を見つけられる(かもしれない)のか、順番に紹介していきます。
チェコ日本商工会のWebサイト
チェコに拠点を置く企業の集まりであるチェコ日本商工会(https://www.nihonshokokai.cz/)では、会員企業の求人企業を掲載しています。
……が、この求人情報、あんまり更新されてないようです。
現時点(2018年6月)で確認できる最新の情報が2017年12月の情報というあたりでお察しください。
ただし情報こそ古くても、継続して人を探していたり、もしくは違う職種で求人している可能性はゼロではないので、コンタクトしてみる価値はあるかもしれません。
海外就職・転職サイトに登録する
海外で就職・転職したいと希望する方向けの求人サイトや転職エージェンシーに登録することで、チェコ日本商工会には掲載されていない求人情報を知ることができるかもしれません。
ただしこちらについても、どれくらいの企業がどのサイト・エージェンシーに登録しているのかは不明なので、見つけられたらラッキー!ぐらいの感覚でいたほうがいいかもしれません。
クチコミを利用する
上でも書いたように、日本人を雇いたがっている日系企業は少なくないです。
では彼らがどうやってチェコで働きたい日本人を探すかと言うと……ぶっちゃけクチコミです。
ヒサノ自身、前職に就いたきっかけがクチコミで入手した求人情報でしたし、取引先と打ち合わせをしている最中に、「ところでプラハで仕事探している日本人知りませんか?」と聞かれたことも何度かありました。
求職者がチェコでの日本人向け求人情報をなかなか見つけられないように求人企業もチェコでの求職者はあまり見つけられないようですね……
なのでもしチェコに住んでいる友人や知人がいるのであれば、何か情報を持っていないか聞いてみるのもアリかもしれません。
現地拠点のHRに直接コンタクトする
友人と話して一番いい方法だろうとなったのが、チェコに拠点を持つ企業の現地HRに直接コンタクトすることです。
大抵の企業は各拠点ごとにサイトを持っていて、求人情報も掲載されています。
問題は言語ですが、英語や日本語がない場合でもGoogle Translateを使えば大体の内容はわかるでしょう。
HR採用担当のメールアドレスか、もしそれがわからないならお問い合わせの総合アドレスやフォームを見つけて、英語でメールを送ってみましょう。
もしメールアドレスを入手できたなら、併せてCVを送るのもアリかもしれません。
その際には日本人であること、チェコで就職したいこと、また就労ビザの有無を明記しておくと話がとおりやすいでしょう。
ビザサポートしてでも日本人がほしいなら返信がくるでしょうし、ビザサポートの予定がないなら返信なしかお断りのメールが届くと思います。
もちろんこれはけっこう勇気がいりますし、成功率は低いかもしれませんが、本気でチェコで就職したいのであれば試す価値はあります。
もしも就職が決まったら……
何らかの方法でうまく求人情報を見つけ、オンライン面接や現地まで足を運んでの面談などを経て内定を得られたとしましょう。
とても嬉しいですしおめでたいですね!
ですが、手放しで喜ぶのはほんのちょっぴり早すぎます。引っ越しの準備もちょっと待ちましょう。
なぜならチェコに引っ越してくる前に、まず、就労ビザを入手する必要があるわけですが、これがけっこう大変なのです。
就労ビザの手続きについては改めて記事にまとめますが、そもそもビザの承認に申請から最大90日かかる上、事前に準備しなければならない書類が多い上にチェコ語訳やアポスティーユが必要な書類が大量にあります。
更には書類の発行機関によってはそもそもアポスティーユが使えないためチェコ大使館で公印をもらわなければならないなんて場合もあったり……
とまあ大変なことはたくさんありますが、チェコでの就職活動、頑張ってください!