チェコでフリーランサーとして働きたい人のための、ビザ手続き手順覚書。

こんにちは。ヒサノアスカ(@AsukaHisano)です。

以前移住する前に語学留学とかでお試し移住したほうがいいよという内容の記事を書きました。

実はこのときすっかり失念していたのですが、2017年8月の法改正により、プチ移住とか考えずまずチェコに来たほうがいい、いや来なければならないケースがあります。

それが個人事業主やフリーランサーとして働きたい、もしくはチェコで起業したい場合です。

「チェコで働くならそれこそ語学とか身につけたほうがいいのでは?」と思われそうですが、けっこうな人数の人生計画を大幅に変更させることになったこの法改正について、また実際どんな手続が必要になるのかをざっくり説明します。

法改正で何がどう変わったの?

2017年8月の法改正以前は、個人事業主になりたい場合、初手から個人事業主として登録の上個人事業主ビザとでもいうものを取得する、もしくはチェコに2年以上継続して滞在することで個人事業主ビザへ切り替えることができました。

ところがこの法改正後、すでに何らかの長期滞在ビザを持っている外国人は、チェコに5年以上継続して滞在しない限り個人事業主ビザに切り替えることができなくなってしまったのです!

実際、当時Expats.czというフォーラムサイトで、ある留学生が「大学卒業したらフリーランスになりたいんだけどどんな手続きが必要?」という質問をして、「法改正があったから、なんとかしてチェコに5年いつづけるか、今のビザを返納して、イチから個人事業主ビザに切り替えないと無理」という回答を得て嘆いていました。
きっと彼女は大学を卒業し、これからはフリーランスとして明るい未来が待っている!と思っていたのでしょうね……
ですが残念なことに今回の法改正によって彼女の明るい未来は前途多難となってしまいました。

個人的には事業者ビザ取得のためだけに5年間滞在するのであれば、さっさと永住許可を取得した方がいろいろ面倒なくていいんじゃね?と思ったのですが、もしかすると学生ビザ保持経験者のための救済措置なのかも?(永住許可申請の場合、学生ビザでの滞在期間は1/2で計算されます)

ちなみにこのビジネスビザ取得までの5年に関しては、ビザの取得目的が学生の期間もフルで計上されるようです。
なので学校に通い続ける卒業後に仕事を見つけて働くなりして5年経てば、フリーランスへの転身が可能になります。

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チェコでフリーランスになりたい場合はどうすればいい?

正直なところ、詳しく調べたわけではないので不明瞭な点が多いのですが、以下のような手続きと手順が必要なようです。

  1. まずチェコに来てŽivnostenský list(通称Živno)という開業届の申請をする。
  2. 申請が仮受理されたらその証明書を持ってチェコ国外のチェコ大使館にてビジネスビザの申請を行う。
  3. ビジネスビザ発給の連絡が来たらビザ申請したチェコ大使館に再度赴き、ビザを入手します。
  4. 入手したビザを持って労働局に行き、Živnoの手続きを進めるよう依頼する。
  5. Živnoが承認されるのを待ち、正式にフリーランスとして働きはじめる。

……はい、そうですね。すんごくわけがわかりません。

実は永住許可を得る前にさっさと退職してフリーランスに転身する方法を調べたこともあったのですが、その時に見つけたプラハで英語教師をしているカナダ人のブログでは、次のように書かれてました。

「個人事業主として働くための長期滞在ビザを入手するにはまずŽivnoがいる。でもŽivnoを取得するには長期滞在ビザの発給がいる。っていやいやどゆこと?もうわけわかんないんだけど!(超意訳)」

とまあこんな感じに意味不明な手順を踏む必要があるのです。

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で、具体的に何をすればいいの?

というわけで、もし本気でチェコでフリーランスとして働きたいのであれば、長期滞在ビザの申請に必要な書類を日本でしっかり揃えた上でチェコに来ましょう。
幸いにも日本のパスポートは、シェンゲン圏内であればビザ無しで90日間滞在できます
なのでまずチェコの労働局に行ってŽivnoの申請を行い、その後ドイツやウィーンにあるチェコ大使館で長期ビザの申請をするのが効率いい動き方でしょう。
プラハに住みたい人だとベルリンの大使館が便利に思えますが、万が一手続きに遅れが生じた場合を考慮するならウィーンの大使館がいいかもしれません。

というのも、オーストリアに限ってはビザ無しで180日まで滞在が可能なのです!
何らかの事情でヨーロッパに入ってから90日以内に長期ビザが発給されなかった場合、一時的にウィーンに避難してビザ発給を待つという手段が取れます。
ドイツだとビザなしでは90日しか滞在できないため、万が一のことを考えるとウィーンでの申請がベターでしょう。

もちろんŽivnoの手続きには旅行で来て行い、長期ビザの申請は日本の大使館でするという手もアリです。

どっちの方法を取るかは、90日間海外で滞在する費用とŽivno申請のためにチェコと日本を往復するコストと労力を比べて決めてください。

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手続きにはプロの手を借りるべし!

さて、チェコで個人事業主になるための手続きですが、できればチェコに来る前に、ビザサポートをしてくれるエージェントを見つけておくのがいいようです。
いくつかフリーランスビザについて言及されたブログや記事を見ましたが、どれもこれも「悪いことは言わないからプロに頼れ。じゃないとマジで地獄見るぞ」とありました。

実際問題、↑のわけわかんない手続き手順だけでも十分個人でなんとかできる範疇を軽く超えてるだろうことはわかります。
しかも申請先の一つはŽivno登録のためのトレードライセンス事務所
各市区町村のお役所の一部署なのですが、外国人警察以上に外国人の相手に不慣れなお役所です。

プラハなら英語が通じるかも……?」なんて甘い期待は持たぬが吉。

手続きをスムーズに進めるためにも、やっぱり手続きに慣れている人がいたほうが安心です。
また、こういったエージェントは一般的なビザの手続きのサポートにも慣れているため、住居の手配や保険の手配なども助けてもらえます。
外国人は住居登録が必要であることを知らない人は多いですし、共同オーナー物件の場合はオーナー全員の署名が必要になるためとんでもなく面倒なことになる可能性すらあります。

別にどこのエージェントの回し者でもないですし、マージンなんてどっからも貰ってませんが、こういう複雑怪奇な手続きは最低でもプロの助言を、できればお金を払ってプロの手を借りるべき。
個人だとにっちもさっちも行かないことが、プロに頼んだとたんにスムーズに行くってこともありますし、プロでも頭を抱えるような問題の場合、なおさら個人、それもチェコ語のわからない外国人には対応できませんからね……

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ビザ等の情報は必ず最新のものを確認しよう!

ビザや移民に関する法律は、随時なんだかんだと変更されます。
チェコ大使館やチェコ内務省以外のサイト(ここ含む)の情報をチェックしても、それが古いものだった場合はまったくもって役に立たないどころか手続きの妨げになったり、最悪せっかく集めた書類をすべて破棄してやり直し、みたいなことにもなりかねません。

なのでネット検索の際には必ず最長1年で期間指定をした上でリサーチしてください。

チェコのビザについては日本語ではほとんど情報が出ていないため、チェコ語ができるならそれがベストですが、最低でも英語でのリサーチが必須です。
また、検索で1番上に出てきた記事だけを読むのではなく、必ず複数の記事を確認してより正確な情報を集めるようにしましょう。
検索1位が移民局やビザサポートのプロによる記事であれば信頼性はありますが、そうでなかったらどこまでが正しい情報でどこからが個人の意見なのかわからない、というケースも少なくありません。

そして残念なことに、こういった個人ブログの方がSEO対策のために公式情報があるサイトより上位に挙がっていることもちょくちょくあります……
なので本当に情報の鮮度に気をつけてください!

チェコのビザ取得・移住・旅行に関するご相談受付中!

 

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