こんにちは。ヒサノアスカ(@AsukaHisano)です。
海外移住の第一歩として、語学留学を考えたことはありませんか?
英語圏への語学留学経験は広く知られている上に成功体験がよくみられるため、「語学留学ならきっとそんなに難しくないはず!」と考えている人は少なくないと思います。
でも、よくよく考えてみてください。
英語って、日本人なら最低でも6年以上は学校で習っている言語です。
つまり英語は、多かれ少なかれ基礎知識があるからこそ、語学留学が成功しやすいという背景があります。
では全く習ったことのない言語だとどうでしょうか?
それが日本ではあまり使われていない言語だったら?
今回の記事では、ヒサノの実際の挫折体験とあわせて、必要最低限やっておくべき事前準備をお伝えします。
準備ゼロで語学学校入学→1か月半で挫折したフランス語……
アメリカ語学留学とオーストラリアワーホリを経て英語に多少の自信をつけた後、次の滞在先として考えたのがカナダでした。
理由や目的はいろいろありましたが、そのうちのひとつが「フランス語を身につけたい」というものでした。
フランス語は英語よりは複雑ではあるものの、「ヨーロッパ言語でもある英語がわかればそこまで難しくないのでは?」なんて簡単に考えたのと、「フランス語が分かるようになれば、他のラテン系言語に手を出しやすくなりそう!」という打算もあってのことでした。
そんな考えは、実際にクラスが始まってほどなく打ち砕かれました。
そもそも初級クラスだというのに、英語補助がゼロだった、というのが第一の躓きポイントでした。
フランス語知識なんて「ぼん・じゅーる」「めるしー」「とれ・びあん」程度というレベルでは、ボキャブラリーや文法をフランス語で説明されても理解ができない。
いや、厳密には、書かれた文字を見れば英語と繋げあわせて「presentってあるからたぶんこれは『現在』」「今は人称の話をしてるからあれが一人称単数で……」のように想像はできたけれど、本当に正しいのかは不明。
更に理解を困難にしたのが、音と綴りの乖離です。
で、先述のpresentですが、英語だと発音はプレゼント。けれどフランス語だとプレゾン。
先生の話をそのまま書き記そうとすると、音から浮かぶ綴りはpresonもしくはprezonですが、当然×。
他にも、たしか三人称複数では動詞にestが語尾に付くのですが、なんとこのest、わざわざ付けているのに発音しない。
単純にそういうものだと飲み込んでしまえばよかっただけですが、こういった細かいところが気になり、かつクラスメートたちが授業の内容をあっさりと理解して、バンバン発言やら質問やらしているのを見ているうちに、自分の理解力のなさやレベルの低さが重荷になってしまい、1か月も経たずに学校をさぼりはじめ、1か月半を過ぎるころにはすっかり引きこもりました。
最終的には「日常レベルの英語ができるんだから、別に無理して他の言語なんて習わなくてもいいよね!」と変な方向に開き直り、フランス語の存在を頭の中から全力で放り投げたのです。
ちなみにこの数年後に旅行でフランスに行った際、「ありがとう」という誰もが知ってて当然な単語すら思い出せなかったことからも、どれだけフランス語に苦手意識がこびりついてしまったのかがよくわかります。
もちろん、何が何でもフランス語を覚えたい!という熱い志があったなら別でしょうが、当時は本当になんとなく、「英語圏の国(カナダ)でフランス語が習えるとかお得じゃね?」という程度の考えしかなかったため、他の人たちみたいに必死になれなかった、というのも挫折の要因だったと思います。
事前準備を怠らなければ、初級クラスはなんとかなる
結局その後、紆余曲折合ってカナダから日本に戻るころには何かを習いたいと思うようになり、そこからFolkehojskoleの存在を知ってデンマーク語も一緒に習ってみようと思いついたわけですが、この時はフランス語での失敗を元に、事前に多少の準備はしていました。
とは言っても、全人口ですら500万人前後というデンマーク語は、ぶっちゃけマイナー言語です。
日本の大きめの本屋さんに行っても、デンマーク語のテキストなんてほとんどありません。
チェコの時も同じでした。
ただまあチェコの場合はデンマークから日本に戻る前に行くことを決めていて、かつ帰国をチェコ経由にしたことでチェコ国内で英語話者向けチェコ語テキストを購入できたというのが大きなアドバンテージになったと思います。
旅の指さし会話帳は、その言語に触れるファーストステップに最適!
というわけで、私がまず最初に買ったデンマーク語&チェコ語のテキストですが、知る人ぞ知る(?)旅の指さし会話帳です。
このシリーズ、本当に色々な言語のものが出ているので、気になる言語がある人は、一度大きな書店の語学コーナーやAmazon等で探してみてください。
「こんな言語のもあるんだ!?」とびっくりすること大請け合いです。
さて、この指さし会話帳の特長は以下のとおり。
- 基本的な日常会話表現(自己紹介、道案内、お店やレストランでのやりとり、基本的なボキャブラリ)がわかりやすいイラスト付きで一覧表示されている
- 取り上げられているテーマが一般的なものからその国特有のもの(観光地、文化、食べ物など)まで多岐にわたっている
- その言語がどんな感じなのかの雰囲気が掴める
あくまで旅行中に使うことを目的とした指さし会話帳なので、文法の説明はほとんどありません。
けれど日常で使われる基本的な単語が掲載されているので、「この言語ってこんな感じなんだ」と雰囲気を掴むことはできます。
最低でも、「すでに知ってる言語と比べてどんな共通点があるのか」「すでに知ってる言語とどれくらい違ってるのか」を比較することで、その言語のとっつきやすさや習得しやすさを計ることもできます。
ちなみに、語学留学するのではなく家族同行や仕事などで移住する場合、この指さし会話帳をしっかり読み込んでおけば基本的な日常生活はなんとかこなせると思います。
例えばデンマーク語は、言葉を見ていると綴りはともかく発音が英語っぽい言葉(can = kan、tell/say/speak = tellerなど)がちらほらあったり、またドイツ語と共通点の見える言葉があったりします。
逆にチェコ語は、ぱっと見からして英語との共通点がほとんどなく、「……え?この綴りでこの音でこの言葉なの?」みたいなことがしょっちゅうです。(zmrzlina = アイスクリームとか可愛くなさすぎる……)
初級の文法書・テキストを使って独学する
旅の指さし会話帳でその言語の雰囲気をつかんだら、次は初心者向けの文法書やテキストを入手して独学しましょう。
言語によっては日本語のテキストが充実しているかもしれませんが、もし現地の語学学校に通うのであれば、できれば英語話者向けのテキストを使う方がいいでしょう。
というのも、現地の語学学校では日本語での開設なんてありません。
運が良くて英語での説明です。
ちなみにデンマークでは当然デンマーク語ベースで英語補助あり(デンマークの英語話者率はめちゃくちゃたかいです)、チェコではチェコ語ベースで英語もしくはロシア語補助という感じでした。
私の場合、まずアメリカのESLで英語を習っていた経験があったため、英語で文法の解説があればあまり問題なく理解できます。
(フランス語の場合は初心者クラスなのに何から何までフランス語での説明だったため、はじめっからちんぷんかんぷんだったのです……)
けれどこういう背景がない場合、もしくは過去に英語留学をしていたとしても、年単位でブランクがあると、とっさに思い出せないというケースもあります。
そういった不利やブランクを減らすためにも、英語のテキストを入手しての独学をおすすめします。
ちなみに、ヨーロッパ言語の学習に英語のテキストをおすすめする理由のひとつに、発音の問題があります。
日本語のテキストだと発音はカタカナで表記されがちですが、英語のテキストだと「この発音は英語の〇に近い」などの表記があるため、カタカナ表記ではわからない細かい発音の違いに気づきやすいという利点があります。(実際そのとおりに発音できるかどうかはまた別問題ですが……)
ちなみに、私がデンマークに行く前に使ったデンマーク語のテキストはニューエキクプレスデンマーク語でした。
梅田の紀伊国屋で見つけた何冊かのデンマーク語教本の中で、一番わかりやすかったのが決め手だった記憶があります。
チェコ語の時は、チェコで見つけた英語話者向けのチェコ語のテキスト(Czech for English Speakers)を使って、日本語の教本は使いませんでした。
厳密には、デンマークから日本に戻った後、紀伊国屋でチェコ語のテキストを探してみたのですが、その時店頭にあったものがなんとなくしっくりこなかったため、購入はしなかった、という経緯があります。
このテキストですが、調べてみたものの残念なことに、チェコでしか取り扱いがないっぽいです。ドイツAmazonでも見つかりませんでした……
なのでお求めの場合は、チェコ観光のついでに本屋さんで探したり、チェコにいる知人・友人方にコンタクトして入手を試みてみてください。
どのレベルまで勉強しておくべき?
テキストによって設定レベルはいろいろですが、現地でイチから学びたいと思っているのであれば、最低限初級(A1)の内容がわかれば問題ないと思います。
文法の細かいところまで理解できていなくても、
あたりをざっくりと、自分なりになんとなくでも把握しておけば、初日からついていけなくて心が折れる、ということにはならないでしょう。
あとは日本でも習いたい言語のコースやレッスンがあるのであれば受講してみたり、言語系SNSでランゲージエクスチェンジをして慣れておくのもいいかもです。
移住の第1ステップで挫折しないためにも、事前準備はしっかりしよう!
繰り返しになりますが、語学留学を就職や永住許可を目標とした移住の第1ステップにする場合、まずは確実に授業についていけなければなりません。
基本的に、語学留学=一定以上の出席率&成績を保つ必要があります。これが守れない場合、学校から移民局に連絡が入り、ビザが取り上げられる可能性が大です。
つまり早々に挫折してした場合、最悪の結果としてせっかく取得したビザを返納しなければならなくなってしまう可能性が大となるわけです。
もちろん、出席率を保つためにクラスに出席だけするというのは可能ですが、私の経験からも、何が起きているのかちんぷんかんぷんなクラス内に居続けるというのはかなり苦痛です。
一般的に語学留学は、長期滞在ビザを取得するには一番簡単な手段だと言われています。
ですが簡単だからと安易に選択することで、逆に移住を諦めなければならなくなるという本末転倒なこと起きる可能性もあります。
このような残念な結果を迎えないためにも、移住を考える際にはしっかりと事前調査を行い、確実に移住を実現させるためにも準備は行いましょう。