ヒサノがチェコでの永住許可取得を決めた理由。

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こんにちは。ヒサノアスカ(@AsukaHisano)です。

チェコに5年住んで資格ができたので永住許可に申請します」と周囲に話したところ、大半の人たちから「じゃあもう一生チェコに住むの?」「チェコってそんなにいいところ?」という反応を受けました。
残念ながら、ヒサノがチェコの永住許可取得申請をしたのは、そんなに前向きな理由ではありません
いえ、チェコは好きですよ? 本気で嫌ならとっくにチェコから出て行ってます。
なのですが、一生住みたいかと言われれば、「え? うーん……」と考え込んでしまいます。
「だったらなんで永住許可取るのさ?」と思われそうなので、ヒサノが永住許可取得を決意した理由を赤裸々に説明してみます。

そもそも永住許可って何?

永住許可とはざっくり説明すると、EU圏外出身の外国人でも、チェコ人とほぼ同じ条件でチェコに住むことができるものすごいビザです。
市民権ではないため投票権やパスポートは取れませんし、他のEU国で就職したり進学したりしたい場合はその国でのビザ取得が必要となります。
その反面、チェコ内であれば福祉の恩恵(チャイルドケア、国民保健、万が一の生活保護など)も受けられますし、チェコで物件を買おうとした場合にチェコ人と同じ利率でローンを受けたりできるそうです。
また、永住許可とは言いつつも有効期限がありまして、2017年時点での有効期間は10年。取得から10年後には更新申請する必要があります。
ただこの更新申請は、きちんと税金払っていて、実質5年以上チェコに滞在していればあまり問題なく更新できるっぽいです。
また、永住許可を取得してから5年経った時点で市民権取得の申請ができるようなります
そんなこんなで永住許可ってのは、チェコ国内においてチェコ人とほぼ同等の権利と義務を持って10年間滞在できるすごいビザという認識で間違いないでしょう。
ではなぜヒサノがこのすごいビザを入手したのか、その理由を説明しますね。

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何にも縛られることなくチェコに住める

何よりも真っ先に浮かぶ理由がこれです。
通常の長期滞在ビザでは、パートナーや仕事、学校などの「チェコに住む理由」がなくては取得できません。
もちろんそれはそれでいいのですが、問題はパートナーと別れたり、仕事を辞めたくなったり、学校を卒業・修了した後どうするのか、という点です。
仕事であれば、辞める前に転職先を見つけておくか、もしくは正式に辞職した日から60日以内に次の仕事を見つけてEmployee cardの変更申請をすればそのままチェコに滞在できますが、結局は仕事を見つけなければならない。
チェコには日系企業が意外とたくさん存在するので、日本語と英語、もしくはチェコ語ができて、そこそこの社会経験とスキルがありさえすれば、なんとか仕事を見つけることはできるんじゃないかな。
また語学を頑張ったり学費を払ったりして学生になることもできますが、学校はいずれ卒業しなければなりません
パートナーにしても、一生添い遂げられる相手であれば問題ありませんが、万が一破局することになってしまったら、もうそれまでです。
仕事が嫌になったり学校を卒業しても仕事が見つからなかったり、またパートナーと不仲になったけれどずっとチェコにいたいと考えたとき、新しい仕事や学校、パートナーをすぐに見つけなければビザが失効されるため日本に帰らざるを得ません。
ヒサノの場合は滞在期間が5年以上になったのでビジネスビザの取得もできなくはないですが、これも最終的にはきちんと税金を払うだけの儲けが出ていないと更新が難しいようです。
いずれにしても、EU非加盟国人がチェコに長期滞在するには何らかの理由が常に必要で、その理由が正当でしっかりしたものだと証明し続けなければならないのです。

それって、とてつもなく不自由で、しんどくないですか?

実際、ヒサノも一時期は仕事に人生を握られているような感覚に陥りましたし、それがどうにも嫌だったので、永住許可の申請を決めました。

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何をしてもしなくても、日本に帰らないでいい。

あ、もちろん犯罪行為は別ですよ?>何をしても

とまあブラックぎみな冗談はさておいて、20歳直前からの年月の大半を日本から離れていたヒサノにとって、日本社会での生活はどうにもこうにもいきぐるしいです。

自分語りはいずれ他の機会にと考えていますが、年齢や性別関係なく、周りの目を気にしないで好きな恰好をして好きなことをして感情オープンに生きることにすっかり慣れた身としては、性別だけでなく年代ごとにあれを着て、このメイクをして、ステータスはこれかそれと決まっていて、それから外れると「あの歳にもなって……」とか「あんな生き方、絶対ろくなことにならない」だとか言われるのが理解できないし苦痛です。

また感情表現が本当にオープンな人間なので、嬉しいことがあったら周りの人をハグしたくなるし、飛んで跳ねて踊って声あげてと感情を爆発させてしまいますが、日本でそれやると「あたまのおかしいひと」扱いされる。
そもそもハグは、友人であっても全力で拒否られるケースが何度かあったので心が折れました。

加えて、最近の「知らない人を見たらみんな犯罪者だと思え」的な風潮は、理解できないし理解したくもありません。
だって、災害大国の日本でそんなんやって、みんなどうやって生き残れるの

そもそも物心ついたころからすでにいじめに遭っていた身としては、自分の経験を鑑みて日本では子供育てたくないなあと常々思っていました。
だってのびのび自由に子育てしたいですし、そんな風に育った子供はきっとヒサノみたいに日本人らしくない子に育ちます。
で、そういう日本人らしくない日本人ってのはよっぽどのステータスがない限り出る杭になってしまうので、周囲からぶったたかれるハメになるのは目に見えてます。
そんな目に合わせるくらいなら「ああ、外国人の子なんだ」と区別した上で許容される外国の方がよっぽどいいです。

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そもそも日本に帰る場所も帰る理由もない。

すみません、もう少し自分語りが続きます。
ヒサノは離婚家庭の父子家庭で、母親との仲が最悪だったため母親とは現在完全に音信不通です。
加えて日本では絶滅危惧種であろう親父様大好き娘なのですが、その父が2年前に亡くなりまして。その瞬間から、日本は出身地ではあっても帰る場所ではなくなりました
実家なんてものもないため、日本に行くときは宿から手配する必要があり、半分以上外国人旅行者の気分です。
友人たちはいるものの、ご家庭のある友人宅に1週間も2週間も居座れませんて。

そんなわけで、現在自分にとっての「家」と呼べる場所を作らなければとほんの少し必死になっているのです。まあ、あくまで自分比なので、ほかの人から見たら「え? 必死?」な程度ですが。
で、これまでいろいろな場所で暮らしてきたわけですが、一番好きだなあ、住みやすいなあと思ったのはブリスベンとプラハ。
ブリスベンに移住するのはお金がかかりそうですが、プラハというかチェコなら、外貨(日本円・ユーロ・米ドルなどなど)をそこそこ稼げばけっこういい暮らしできるんですよね。
なので、金銭面の兼ね合いもあってのチェコです。
永住許可があれば住宅ローンなんかも対外国人利率じゃなくなるため、自宅を持つのも夢ではない

外貨を稼げれば強い。

上でもちらっと書きましたが、チェコは生活面での物価がとても安いです。
すごくざっくり言ってしまえば、だいたい日本の半分以下
なので、たとえば日本円で10万円も稼いだら、プラハでなければそこそこいい立地のそこそこいい部屋に一人で住んで、ちょっと無駄遣いしながらでも余裕で生活できてしまいます。
プラハであっても、中心地まで交通機関で20分程度の距離でフラットシェアならそこそこ無駄遣いしてでも暮らせます。
20万円稼いだら結構いい立地のいい部屋で、お金のことをあまり心配せずに暮らせるようになるんじゃないかな。

つまるところ、これまでの5年で稼いだお金と、これから稼ごうとしているお金を合わせれば、そこまであくせくしなくても生活できる見込みがあるわけです。

もともと物欲が、ごく一部のものを除けば本当にない上に、比較的 びんb 節約生活に慣れているため、生活コストはけっこう安いです。
長くて寒くて暗い冬と周りに海がない問題さえ何とかなればヒサノにとってチェコは実に住みやすい国なのです。
……まあ、問題視してるのがどうがんばっても変えられない点ってあたりがアレではありますが。
なにせ天変地異が起きなきゃ無理なレベルだもんなーあはははは。

もらえるものならもらっとけ。

えーと、ヒサノはもったいないお化けとズッ友契約を結んでいるため、せっかく5年も住んだし、特に問題もなく取得できるのなら取得しない方が損じゃねという思考が働きました。
その後いろいろあって取得がマストになったのですが、根っこのところはやっぱり「5年間滞在してせっかく権利が生じたのに行使しないとかもったいない」思考です。

だって、ねえ?
取って損しないどころかイロイロ得するのなら、本当に取得しない理由がわかりません。

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だいたいこんな感じです。

そんなわけで、以上がヒサノがチェコの永住許可取得を決めた理由でした。
正直理由がこんなんなので、物価という利点を除けばぶっちゃけどこの国でもよかったのですよね。
ただ、偶然、チェコで永住許可が取れる状況になった。だから取ることにした。
本当にそれだけです。
なので今しばらくはチェコにいるつもりですが、基本移住レベルの問題でもフットワークが軽いので、たとえば恋人ができて「自分の国で暮らさないか?」と誘われたり、友人から「面白いこと一緒にしたいからこの国においでよ!」なんて誘われたりしたら、たぶん「おっしゃ!」と飛んでいくことでしょう。
ちなみに現時点(2017年9月)で決まっているのは、11月末に仕事を辞めることと、年が明けたら日本にちょっとだけ行くこと。それだけです。
永住許可取得が決定してないのに退職宣言したので、本心けっこうナーバスです。却下されたらどうすっかな……ははは。

2017年10月30日更新
永住許可確定しました!

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