こんにちは。ヒサノアスカ(@AsukaHisano)です。
1918年10月28日、オーストリア=ハンガリー帝国に対して独立宣言をし、チェコスロバキア(第一)共和国が建国されました。
その記念すべき日から100年が経った2018年10月28日、チェコではチェコスロバキア独立100周年記念として様々なイベントが開催されています。
(スロバキアの情報は調べてないのでよくわかりませんが多分いろいろやってるんじゃないかなぁ?)
ところで世界近代史にあたる過去100年のチェコの歴史について、詳しく知っている人はどれくらいいるでしょうか?
「なんかチェコスロバキアだったりナチスに支配されてたりソ連に支配されてたよね」な認識でもまあ悪くはないのですが、せっかくの機会なのでおさらいしてみました。
100年のうちに7回も国が変わっている。
ヒサノが2010年に初めてプラハを訪れた時、旧市街広場から出発する無料のウォーキングツアーに参加しました。
そのガイドさんがツアーの初めに語ったチェコジョークがこちら。
僕のチェコ人の友人には、今年100歳になるおばあちゃんがいるんだ。
彼女はプラハのど真ん中で生まれ育ったんだけど、100歳になるまでずっと同じ家で住み続けている。
なのに彼女の国籍は、なんと7回も変わっているんだ!
なぜかって?この国はそれくらい頻繁に他国に支配されたり独立したりしてたからだよ。
思わず「どういうこと!?」となりますが、いざチェコの歴史を振り返ると「……そういう事か」と納得してしまいます。
というわけで、実際ここ100年ちょいにおけるチェコ(とスロバキア)の変遷がどんな感じだったのか、簡単にまとめてみました。
- ~1918年オーストリア=ハンガリー帝国チェコ:オーストリア=ハンガリー帝国の一部
スロバキア:ハンガリー王国の一部 - 1918年10月28日~1938年チェコスロバキア独立宣言プラハの政庁を占領して独立宣言。
1920年に共和国憲法を制定し、正式にチェコスロバキア(第一)共和国となる - 1938年-45年第二次世界大戦ミュンヘン協定によるズデーデン割譲で国土が削られたことによりチェコスロバキア(第二)共和国に
1939年にはナチスによるチェコスロバキア解体がなされてチェコはベーメン・メーレン保護領、スロバキアはスロバキア第一共和国となる - 1945年–48年終戦に伴いチェコスロバキア共和国復活ドイツにより建国されたスロバキア第一共和国は終戦と共に消滅し、あらためてチェコスロバキア(第三)共和国となる
- 1948年-89年社会主義の台頭1948年に共産系政党が選挙で大勝利し、人民民主主義宣言を行ったことで社会主義国家に
その後1960年に社会主義共和国憲法を採択して正式にチェコスロバキア社会主義共和国となる - 1989年-92年ビロード革命による社会主義からの離脱民主化に伴ってチェコスロバキア連邦共和国が成立するものの、1990年にはハイフン戦争によりチェコおよびスロバキア連邦共和国に改名
- 1993年1月1日ビロード離婚によるチェコスロバキア解体現在のチェコ共和国&スロバキア共和国の形になる。
……ガイドさんは7回とか言ってましたが、細かく見ると10回くらい変わってますね……
あと100周年が過ぎたので、これからはジョークの中のおばあちゃんに、もっと頑張って長生きしてもらわないといけませんね。
チェコとスロバキアのビミョウな関係
このあたり、詳しく調べたわけではなく、またチェコ人やチェコとスロバキアについて詳しい友人からさらっと聞いた知識ベースなので、もしかすると認識違いがあるかもしれません。
私が聞いた限りだと、チェコ側からスロバキアへはあんまりこう思うところはないというか「同じような民族なのになんでいがまれるんだろう?」な感覚っぽいですが、スロバキア側からすると「チェコばっかりいい目見てる!」な感覚らしいです。
実際チェコは工業が発展しているのに対し、スロバキアは農業が主産業だったりしたため発展度合いに差が出ていたり。
他にも、EU加盟後にスロバキアはユーロを導入したものの、貨幣価値とか物価とかその他もろもろで色々大変らしいのに比べ、チェココルナを守っているチェコではそういった問題もあんまりない。
そんなわけでスロバキアからすると「俺らとおんなじような民族なのに、なんかチェコばっか得してる!」な感覚が結構昔からあるらしく、お前らよく一つの国作ろうと思ったなと当時のスロバキア人たちには盛大にツッコミ入れたい。
ただまあ、外から見てるとスロバキア人がチェコ人を苦手とするの、なーんとなくわかるというかなんというか。
誤解を承知で言うと、チェコ人にはなんとなく京都のお人な雰囲気が若干あります。
「うち(チェコ)はカレル4世がお作りになった国なんですよ」なところがほんのり「遷都の詔は出されてへんからほんまは京都が首都なんですよ。今は東京の別荘においでなだけです」に思えなくもないというか。
あと、チェコ人がスロバキア人の発音というか言葉を「この人たちの発音、ちょっと変で面白い」とからかうシーンを見たりしたので、多分そういうところだろうなと。
んで、スロバキアのチェコを見る目は大阪人が東京を(一方的に)目の敵にするのに似た雰囲気を若干感じます。
まあ、そんなこんながあったため、ハイフン戦争などという面白い論争が起きたり、結果チェコとスロバキアをハイフンではなくa(英語でand)でつなぐことになった時に「チェコは大文字で始まるなのにスロバキアは小文字だけとか許せん!」という、当人たちには重要でもそれ以外にはどうでもいいことで争ったりしちゃうんでしょう。
……かつての日韓合同W杯での表記問題とか思い出すなぁ……
チェコスロバキア独立記念100周年!
そんなわけで、チェコ国内では今年の頭からなんだかんだと色々なイベントが行われてきました!
当然独立記念日100年目となる本日(10月28日)も全国各地で色々なイベントが催されていて、その中でも目玉なのはやっぱり首都プラハでの以下のイベントでしょう。
Evropskaでの、当時を再現した軍隊パレード(14:00~15:00)
国立博物館の再オープン
なんと10月28日から12月31日までは入場無料だそうです!
Letnáで記念花火打ち上げ(19:18~)
その他のイベントはチェコスロバキア独立1世紀祝賀サイトをご確認ください。
チェコスロバキア独立記念日は何がある?
100周年記念な今年だけでなく、チェコスロバキア独立記念日の10月28日は国民の祝日です。
イベントがあって色々な屋台も出てたりするのであんまり意識されませんが、実はお店が軒並み閉まる日でもあります。
なので買い物はどんなに忙しくても、体がしんどくても、必ず27日中にしておきましょう。
28日になって「食べ物が何もない!」となったとしても、スーパーが開いてる可能性はめっちゃ低いです。
また、この日はチェコ国内のありとあらゆる公共施設が独立記念日を祝した28czkで施設利用ができる日でもあります。
施設によっては無料だったりもしますし、また特別料金が適用されるのに時間制限があったりもします。
自分のいる街、もしくは訪問する街ではどんなイベントがあるのか、どこの施設なら特別料金で入場ができるのかを調べるのもいいでしょう。
ちなみにピルゼンでは以下のようなプログラムが組まれています。(チェコ語注意)
⇒ チェコの祝祭日の一覧とその由来については次の記事でチェック!